変形性膝関節症について|痛みの原因と原因について

変形性膝関節症の痛みの主な原因は、ひざ関節の内側にある「滑膜(かつまく)」の炎症です。関節の中は関節液という液体で満たされていますが、軟骨がすり減ると、そのかけらが関節液の中を漂うようになります。この軟骨のかけらが、関節の内側を覆う滑膜を刺激することで炎症が起こり、痛みが生じます。
軟骨の表面は本来非常に滑らかで、こすっても簡単にはすり減りません。しかし、ひざ関節は歩行や立ち上がりなど日常動作のたびに繰り返し負荷がかかり、1日に何千回も動かされています。この状態が長年続くことで、タイヤがすり減るように徐々に軟骨の摩耗が進みます。
その結果、もともと滑らかだった軟骨の表面はザラザラと毛羽立ち、次第に削り取られていきます。こうして削り取られた軟骨のかけらが滑膜を刺激し、炎症を引き起こすことで膝の痛みが生じるのです。
炎症が引き起こされる原因
変形の原因
ひざの変形は、関節軟骨がすり減った結果、骨どうしが直接ぶつかり合うことで生じます。
軟骨がすり減って薄くなる、あるいは消失してしまうと、大腿骨(だいたいこつ:ももの骨)と脛骨(けいこつ:すねの骨)が直接接触するようになります。その状態で体重がかかり続けると、骨同士がこすれ合い、骨の変形が進んでいきます。
骨には再生能力があるため、すり減って失われた骨を修復しようとする働きがあります。しかし、ひざ関節には常に体重がかかっているため、正常な形に再生することができず、関節の縁に骨がはみ出すように増殖することがあります。このはみ出して増殖した骨を「骨棘(こっきょく)」と呼びます。
骨棘の形成が進むと、関節の形が変化し、O脚やX脚などの膝の変形が進行します。この状態になると関節への負担がさらに偏り、歩行や立ち上がりといった動作でも強い痛みを感じるようになります。
変形が進行すると、安静時にも痛みが出ることがあり、症状によっては手術治療を検討する必要があります。
骨棘形成のプロセス
どんな人がなりやすいか?
変形性膝関節症は、加齢に伴う関節軟骨の変化を背景に発症することが多く、特に中高年に多くみられる疾患です。ただし、年齢だけが原因ではなく、生活習慣や体格、過去のケガなどさまざまな要因が関係して発症すると考えられています。
特に次のような方は、変形性膝関節症を発症しやすいといわれています。
中高年の方
変形性膝関節症は40代頃から増えはじめ、60代以降では多くの方にみられるようになります。長年の使用によって関節軟骨が徐々に摩耗し、膝関節に炎症や変形が生じやすくなるためです。
女性
変形性膝関節症は男性より女性に多くみられます。理由としては、筋力の違いや骨格、ホルモンバランスの変化などが関係していると考えられています。特に閉経後は発症リスクが高くなる傾向があります。
肥満傾向のある方
膝関節には体重の約3〜5倍の負荷がかかるといわれています。そのため体重が増えると膝への負担が大きくなり、関節軟骨の摩耗が進みやすくなります。
O脚の方
O脚の場合、膝関節の内側に負担が集中しやすくなります。この状態が長期間続くと、関節の片側だけ軟骨がすり減り、変形性膝関節症の発症や進行につながる可能性があります。
膝のケガを経験したことがある方
半月板損傷や靭帯損傷など、過去に膝の外傷を経験している場合、関節の安定性や衝撃吸収機能が低下し、将来的に変形性膝関節症を発症するリスクが高くなることがあります。
このように、変形性膝関節症は「年齢のせい」だけで起こるわけではなく、複数の要因が重なって発症することが多いと考えられています。
変形性膝関節症の症状
変形性膝関節症の主な症状は大きく2つ。ひざの痛みと変形です。
また、疾患が進行するにつれてひざの可動域(動かせる範囲)が徐々に制限されるようになり、末期には日常生活に大きな支障をきたすようになります。
具体的には、正座やしゃがむ動作、階段の上り下りがつらくなったり(特に下りで痛みを感じる)、動き始めにひざの後ろが痛い、素早く動けない、歩行時にふらつくなどの症状がみられます。






